第19回ITS世界会議ウイーン2012

 

「第19回ITS世界会議ウィーン2012」は無事終了いたしました。
皆様の参加・ご協力に御礼申し上げます。

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開催概要 (2012年11月7日 更新)

【会期】 2012年10月22日(月)~26日(金)
【会場】 Messe Wien
【会議テーマ】 “Smarter on the way” 「よりスマートな移動を目指して」
【主催】 Federal Ministry of Transpoty, Innovation and Technology, Austria
オーストリア交通技術省(bmvit)
【特徴】
・ “Intermodality”
・ 中央・東ヨーロッパの参画
・ 若い世代の参加促進
【速報値】
・ 参加者数:約10,000人
・ 参加国数:90カ国
・ 会議登録者数:約3,000人
・ 展示会場:14,500平米 (出展300団体)

コングレストピックとラポチャ

【6つのコングレストピックを軸にセッションが構成されました】
・ インフラ・交通旅行情報の提供と活用
・ インテリジェント インフラストラクチャ
・ シームレスなマルチモーダルサービスの継続性と相互運用性
・ すべてのユーザのための安全と安心の統合
・ 協調モビリティサービスに必要な自動車、インフラ、ユーザーとの接続性
・ 持続可能でクリーンでエネルギー効率のよいモビリティ

【ラポチャ】
・ ラポチャとは報告者という意味で、ITSに経験や深い知見を有するエキスパートが欧米アジアAPから6人選出され、6つのコングレストピックの視点からセッション・展示・デモをウォッチして最新の動向や今後の考察を総括しました。これらを踏まえて最終日のConlusion Sessionで英ニューカッスル大学のEric Sampson氏がチーフラポチャとして世界会議を総括をしました。

・日本から選出されたラポチャは以下の方々でした(敬称略):
石太郎(早稲田大学) 、浮穴浩二(UKコンサルタント)、大口敬(東京大学)

開会式とプレナリセッション

開会式 :  10月22日16:30-17:30
司会進行:Ms. Melinda Crane
登壇者
・ オーストリア交通技術省大臣Doris Bures
・ 欧州委員会輸送担当委員副委員長 Siim Kallas
・ ERTICO-ITS Europe 会長 Jean Mesqui 
・ ITS America会長 Peter Sweatman
・ 日本国土交通省大臣政務官 若井康彦

プレナリセッション
Plenary Session1 :  10月22日17:30-18:30
タイトル: Smarter on the way -Today’s achievements, tomorrow’s ambitions
司会進行:Ms. Melinda Crane
登壇者
・ 欧州委員会輸送担当委員副委員長 Siim Kallas
・ Kapsch CEO, Georg Kapsch
・ ITS America, President & CEO, Scott Belcher
・ USDOT RITA Deputy Administrator Greg Winfree
・ ITS China会長Zhongze Wu
・ ITS Indonesia会長・インドネシア運輸省副大臣 Bambang Susantono
—1st Plenary Sessionに引き続きWelcome Receptionが開催されました(20:30まで)。

Plenary Session2 :  10月23日9:00-10:30
タイトル: Converging Technologies –Converging Mobility
司会進行:Ms. Melinda Crane
登壇者
 ・米州代表 QUALCOMM副社長 Alice Tornquist
・ フォード社 副社長 Andreas Ostendorf
・ オレンジビジネスサービス社Director Nathalie Leboucher
・ デンマーク エリクソン社Vice President Per-Henrik Nielsen
・韓国国土海洋省 ITS及び道路環境部 室長 Young-Soo Park
・ オーストラリアIntelematics社CEO Adam Game

Conclusion Session :  10月26日13:30-13:45
登壇者:Eric Sampson, Chief Rapporteur

Plenary Session3 :  10月26日13:45-14:30
タイトル:Global Connectivity Revolution
司会進行:Ms. Melinda Crane
登壇者
・ 欧州委員会デジタルアジェンダ担当副委員長 Neelie Kroes,
・ ITS Japan 会長 渡邉 浩之
・ Intel 社Architecture Group Vice President,インテリジェントシステムグループ、
      ジェネラルマネージャー General Manager, Ton Steenman

セッションプログラム

エグゼクティブセッション(全12):
・ ES01: Communication technologies: comfortable and resilient system for the next generation
      小 山  敏    一般社団法人 電波産業会 (モデレータ)                         
      田沼 知行    総務省総合通信基盤局電波部移動通信課
                 新世代移動通信システム推進室長
・ ES02: ITS and the economy – doing more for less
・ ES03: Mobile devices data as a source of traveler behavior information
・ ES04: Elements of ITS Policy
      中島 睦晴    内閣官房 IT担当室 企画官
・ ES05: Traffic Management Infrastructure Deployment Models
      福田 守雄   警察庁長官官房 参事官
・ ES06: Future Trends in Urban Mobility
      矢野 厚    住友電気工業株式会社
・ ES07: International ITS cooperation – connected vehicles
      川嶋 弘尚   慶応義塾大学 名誉教授 (モデレータ)
      奥村 康博   国土交通省道路局道路交通管理課ITS推進室長
・ ES08: Making multimodality, the pillar of a future modern urban life
・ ES09: Global Vehicle Safety Systems
      赤津 洋介  日産自動車株式会社 (モデレータ)
      板崎 龍介  国土交通省自動車局技術政策課国際業務室長
      関口 守    富士重工株式会社
・ ES10: ITS enabling future sustainable mobility
      井上 悟志   経済産業省製造産業局 自動車課 
                   電池・次世代技術室長・ITS推進室長
・ ES11: New Concepts of Smart Mobility
      梅村 晋    トヨタ自動車株式会社
・ ES12: The implication for ITS of new GNSS services
      野田 浩幸  内閣府 宇宙戦略室

スペシャルセッション(全86):
AP:20、アメリカ:22、欧州:36、IBECセッション:4、
Recurrent Sessions:4 ”女性I TS”、”来年以後世界会議の取り組み”、
    ”2013年ダブリンITS欧州会議”、”PIARC-世界道路協会”

日本が企画するSISは以下の通りです。(カッコ内は企画者):
SIS02 “Realisation of New Vehicle Cloud Concept and Smartphone-ITS”(インターネットITS協議会)
SIS11 “ITS Radio communication for Vehicle Safety and Sustainability”           (総務省)
SIS19 “Pedestrian Detection in Various Manners”                   (東芝)
SIS21 “Fully Automated Platoon System (on Energy ITS project)”  (経済産業省)
SIS26 “Development of Vehicle–Infrastructure Cooperation Systems”  (警察庁)
SIS27 “Energy management in vehicle and household aspect” (ITS Japan企画G)
SIS28 “Which ITS technology works the best for the Asia-Pacific megacities?”
                                              (ITS Japan国際G)
SIS47 “Driving Behaviours by Aged Drivers and Safety Countermeasures” (高知工科大学)
SIS53 “An Effective Use of an Image-Recording Type Drive Recorder Database”
                                              (UKコンサルタント)
SIS62 “Cooperative Safety Applications on Rural Road to Support
                            Policy Decision Makers”     (日産自動車)
SIS70 “Challenges for Distribution of Road Related Information”   (ITS Japan普及促進G)
SIS81 ”ITS World Congresses in Tokyo 2013 and beyond”    (2013東京組織委員会)
SIS83 “Cooperative ITS for Now and the Next”             (ITS Japan企画G)
SIS87 “Future strategy for road transport policy using probe vehicles”   (国土交通省道路局)

その他にもホストセッション(2)やStakeholder Workshop(6)が開催されます。

論文セッション:
Technical/Scientific Sessions(118)とInteractive Sessions(6)で合計871編の論文が採択されました。

展示会

期間:10月23日-26日
公式リボンカット:10月23日10:45頃
一般公開日:10月25日

<日本からの出展団体>
① 単独出展
アイシン/AW、デンソー、トヨタ、NEC、富士通、本田技研、パナソニック、三菱重工
② 第1日本館
道路グループ(国交省、HIDO、高速道路会社5社)、東京都/東京ITS世界会議組織委員会、VICSセンター、ベリサーブ、UTMS、住友電工、IHI、長崎県、三菱電機、ITS Japan 
③ 第2日本館
東芝、日立、Forum8、ITS情報通信システム推進会議、ITS Japan

<日本館では以下のイベントが実施されました>
①日本館のリボンカット      10月23日11:30-12:00
②国交省ミニセミナー       10月23日16:00-16:30
③2013年東京世界会議レセプション  10月23日16:35-17:30

デモンストレーション

以下5つのテーマのもと23のメニューが用意され3日間で2400人を動員しました。
o Cooperative Mobility:
  会場に隣接する駐車場およびウィーン市内の公道を使った、欧州の通信規格による車車・路車間協調システムの試乗体験が提供されました。8カーメーカ、4インフラメーカによるCar2Car Communication Consortium(C2CCC)とオーストリアを中心としたインフラ・テレマ関連14企業による Testfeld TelematikCar2Car Communicationの協力のもと、25台を超える車両による約30分の試乗コースでした。

o E-Mobility:
  環境に配慮したモビリティに対応したEVの活用法や、EVやEバイクの需要増加に応えるソリューションを提案しました。
  ”project emporA”
  オーストリア政府の基金の基金によるプロジェクト。
  EVの特性にあった情報を提供するナビシステム。 充電スタンドまでの距離・道路特性などエネルギー効率の良いルート案内・マルチモーダル情報などの提供を提供しました。

o Navigation:
  GPSとEGNOSシステムを融合し、新しいビジネスソリューションの提案。
  ”SCUTUM “
  欧州委員会プロジェクト。 GNSSとEGNOSで危険品輸送を追跡するナビゲーションシステムで、非常時のルートプランの見直しや安全問題の解決をめざします。

o ITS Network Management
  ITS技術を組み合わせて都市問題を解決する一つの大きなソリューションを目指すもの。
  ”COSMO”
  交通管理に関する欧州プロジェクト。
  交通管理センターで交通流・密度・スピードを計測し危険な状況を避けたり、交差点を止まらず通過できるようにするための推奨スピードをドライバーに知らせ、あわせて街灯も制御するデモ。

o Public Transport
  ITSで公共交通システムの効率と安全性を高めることを目指す(大規模イベント時の乗客管理や交通弱者への対応など)。
  会議登録者は公共交通が無料で利用可能。(空港や鉄道主要駅でチケット配布)
  コングレスナビゲーター
  ”RAVE”
  AIT(オーストリア技術研究所)とウィーン市交通局によるプロジェクト。プラットフォームへの乗客の流入を最適化し、プラットフォームにいれば次の電車に確実に乗車できるようにするシステム。

その他の特徴

・ コングレス・ナビゲータ:
スマートフォン向けアプリケーションは市内公共交通の乗車チケットとしても利用でき、のべ1600のダウンロードが確認されました。

・ パブリックディ:10月25日9:00-17:00
一般に開放された展示会場には約800人の子供や学生が訪れ、ITS オーストリアのブースではさまざまなイベントが催されるとともに、女性参加者を招待したレセプションも行われました。

テクニカルビジット

・ Austrian National Traffic Management Centre
・ Siemens AG Austria-World Headquarters for Metro, Coaches and Light Rail
・ ÖBB (オーストリア国鉄)Train Monitoring Site
・ ÖBB (オーストリア国鉄)Traffic Management Facility
・ Vienna Climatic Wind Tunnel
・ Danube Ground Tour
・ Austrian Truck Tolling and ITS Tunnel Safety Tour
・ Bombardier Transportation Vienna Site
他にPre/Post Congress Tour/Post Congress Tour、同行者向けツアーがじっしされました。

GALA

・ Gala Dinner and ITS Ball:
日時:10月24日19:00-25:00  会費:€156(税込み)
ハプスブルグ新王宮の祝祭ホールでは900人近い参加者を得てGalaディナーとダンスパーティー(ITS Ball)が行われました。
王宮内の複数の部屋に分かれて実施されましたが、多くの参加者が気楽にダンスに参加し、記憶に刻まれる交流の場となりました

閉会式

日時: 10月26日14:30-15:20
ラポチャによる総括、PL3に引き続き、閉会式では以下の2つの表彰が行われました。
1)優秀論文賞
AP地域からの受賞者は以下の通り:
  Lian Xue氏  東京大学生産技術研究所 池内研究室 大学院生 (代理:小野晋太郎氏)
  山崎晃由氏  埼玉県警察本部 交通部交通規制課 課長補佐

2) ビデオコンペティション優秀賞
ITSの認知度を高め、広くPRするためのビデオコンテストが行われ、約50件の応募の中から審査を経た優秀作品が表彰されました。
AP地域からの受賞作品:
  オーストラリア  Griffith University : “Co-operative Intelligent Transport Systems:
   Safe and Sustainable Transport”
  英国Cubic Transportation Systems: “Making the Vision of Intelligent Travel a Reality”

また来年以降のITS世界会議の紹介では、2013年東京大会と2014年デトロイト大会のPRが行われ、東京ITS世界会議2013は、東京都青少年・治安対策本部の樋口本部長が主催者代表としてスピーチで参加を呼びかけました。続いてデトロイトからは2014ITS世界会議組織委員長Barbaresso氏が地元デトロイトタイガースのキャップをかぶってスピーチし閉会式を盛り上げました。

報告会

2012年11月21日 「第19回 ITS世界会議ウィーン」報告会
(「第7回日本ITS推進フォーラム」2日目 於:建築会館ホール)