会長挨拶

 平素よりITS Japanの活動に格別のご支援とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。
 ITS Japanは、2026年度より第5期中期計画をスタートいたしました。第4期中期計画からの理念である「安心・安全なモビリティ社会の実現」「カーボンニュートラルへの貢献」「移動の自由・移動の楽しさの実現」を継承しつつ、日本が直面する社会課題の解決に貢献していくために「ITS施策の具体化と社会実装をプロデュースする役割」を一層強化してまいります。

 第5期中期計画においては、「未来の交通社会に必要なモビリティインフラとは何か」という本質的な問いに真正面から向き合います。その象徴的な取組みが、交通事故ゼロ、渋滞ゼロという目標の実現を支えるITSスマートポールの社会実装です。ITSスマートポールは、ドライバーへの高度な安全運転支援に加え、自転車や歩行者の安全確保にも寄与するものであり、さらには我が国におけるレベル4自動運転の実現を後押しする基盤となります。これは、2026年2月に高市早苗首相が施政方針演説で掲げられた「47都道府県どこに住んでいても、安全に生活することができる日本」の実現にも貢献していきます。

 未来のモビリティインフラを構想するにあたり、ITS Japanは自ら描く将来像を広く共有し、具体的なロードマップを提示しながら、多様なステークホルダーの皆様との建設的な対話を重ねてまいります。近年、コネクティッド技術やSDV、AIの進展を背景に、ITSの領域はICT分野へと大きく広がっています。こうした環境のもと、従来のITS関係団体・企業の皆様に加え、通信・クラウド分野の企業、行政機関、さらには社会科学を含む学術界の皆様とも積極的に議論を行い、叡智を結集していくことが不可欠です。
 また、モビリティは国益に直結する重要分野であるとの認識が、国全体で一層高まっています。内閣府、警察庁、デジタル庁、総務省、経済産業省、国土交通省道路局、国土交通省物流・自動車局をはじめとする関係府省庁において、自動運転を含むITS関連施策の検討が進められております。将来の交通社会および次世代ITSインフラの実現には、これら府省庁の皆様からのご指導とご連携が欠かせません。ITS Japanとしても、継続的にご相談と政策提言を重ね、社会実装までのスピードを高めてまいります。また、海外のITS関連団体・企業とも連携を通じて、ITSスマートポールをはじめとする日本発の未来型ITSインフラを世界へ発信していきたいと考えております。国際的な協調のもと、従来のITSの枠組みを進化させ、新たなムーブメントを創出することを目指します。
 将来の交通社会を担う人材の育成もまた、重要な使命です。交通分野にとどまらず、通信・デジタル分野を含めた横断的な人材育成を視野に入れ、ITS Japanは取組みを強化してまいります。その一環として、毎年開催している「ITSシンポジウム」を通じ、若手研究者・実務者の交流と成長の場を提供しております。2026年は札幌にて開催予定です。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

 ITS Japanは、立場や利害を超えて議論を行える中立的な実働部隊として、産官学の強固な連携を推進し、最終的には社会実装を実現する“プロデューサー”としての役割を果たしてまいります。ITSの進化を通じ、次世代社会の構築に向けて関係者の皆様とともに歩み続ける所存です。今後とも一層のご支援とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

ITS Japan 会長
山本 圭司