第6回 アジア太平洋地域ITSフォーラム(2003 台北)

開催概要

【会期】 2003年10月6日(月)~10月9日(木)
【会場】 台北/台北国際コンベンションセンター
【テーマ】 ITS Bettering Markets & Society
【参加国・地域】 15
【参加者数】 715名
【出展数】 82
【論文数など】 Session:33

開催報告

本大会はSARS問題の影響で当初予定(7月)より約3カ月延期されての開催となりましたが、参加国は15カ国(2地域を含む)、会議・展示の登録者は715名、展示への来場者は延べ2,500名と盛大で意義のあるフォーラムとなりました。開会式には陳水偏 台湾府総統からの祝電が披露され、呂秀蓮 副総統がご臨席になり、晩餐会には馬英九 台北市長がご臨席されるなど、主催のITS台湾の熱意が表れた場面が多くありました。
スペシャル・セッションでは「アジア太平洋地域のネットワーク」が今回初めて協議され、中国語による台湾と中国の交流セッションが行われるなど、特色のあるフォーラムとなりました。
日本政府代表として経済産業省製造産業局自動車課 田端ITS推進室長からカントリーペーパーの発表があり、警察庁交通局 森田課長補佐、寺崎課長補佐、ITS Japan 中原副会長をはじめ、日本からの参加は40名と地元台湾に次ぐ参加者数でした。
来年名古屋で開催されるITS世界会議への関心も強く、閉会式でのプレゼンテーションやITS Japan 展示ブースでのPRに多くの方が興味を示されていました。

ITS台湾の発表によると参加登録者総数は715名(会議467名、展示248名)でした。内、日本からの参加登録者数は40名でした。会議登録者467名の国別内訳は以下の通りです。

台湾392名、日本31名、中国13名、米国9名、イラン4名、韓国・インド各3名、香港・シンガポール・豪州・スウェーデン各2名、フィリピン・マレーシア・ドイツ・オーストリア各1名、以上15の国・地域。

大学間の連携で、中国からの参加者は日本に次いで多く、中国と台湾の関係の深さが垣間見られました。昨年のパプアニューギニア初参加に続いて、今年はイランが初参加するなど徐々にアジア太平洋でのITSの広がりが感じられます。

セッションは以下の通り33にのぼり、3コースのテクニカルツアーが実施されました。(括弧内はセッション数)

  • エグゼクティブ・セッション(2)
    日本・韓国・中国・香港・インド・フィリピン・シンガポール・米国からカントリーペーパーが報告されました。
  • スペシャルセッション(12)
    アジア太平洋の地域ネットワーク、ETCトピックスなどのテーマが議論されました。
  • テクニカルセッション(15)
    教授が学生を連れて参加しており、地元にとっては有意義な場となりました。
  • クロスストレートITSフォーラム(2)
    中台の海峡を越えての交流セッションで、中国語で開催。中国から22件の論文が出て盛況でした。
  • ワークショップ(2)
  • テクニカルツアー
    バスロケーションシステム、台北市交通管制センター、フリーウェイ管制センターの3コースが実施されました。

開会式・閉会式

テープカットのセレモニー

開会式では、呂 台湾府副総統、林 運輸通信大臣の祝辞に続いて、祝辞と基調演説が行われました。
祝辞を述べられたのは以下の方々です。
Mr.J.Wong,Vice President,ITS Hong Kong、Mr.A.Bajpai,President,ITS India、ITS Japan 中原副会長、Mr.J.H.Kang,Vice President & CEO,ITS Korea、Mr.S.M.Kee.President,ITS Singapore

 

開会式でのITS Japan中原副会長(左から2人目)

 

基調演説をされたのは以下の方々です。
Mr.Walton,Former Chairman,ITS America、Mr.H.Sodeikat,Honorary Chairman,ERTICO、ITS Japan 中原副会長、Mr.C.Mao,Chairman,ITS Taiwan

 

 

 

閉会式では、ITS Japan 寺島専務理事が「今回の成功が来年開催の名古屋世界会議や次回のインドフォーラム、さらには香港フォーラムにつながることを希望します。」とスピーチしました。
また、2004日本組織委員会の石事務局長より名古屋世界会議のプレゼンテーションが行われ、台湾より次回2005年開催国のインドへパッシング・グローブが渡されました。

パッシング・グローブ(台湾からインドへ)

展示

45の企業、組織から82小間の展示があり、出展者登録は248名、来場者は3日間で延べ2,500名にのぼりました。「押し寄せる」というより、真に熱意のある来場者が長時間食い入るように見つめ、質疑を交わす姿が印象的でした。

日本からの出展(3企業、1団体)

トヨタ自動車は、ビデオ上映と2台のパソコンを設置して、ITSへの取り組みを5分野(カー・インテリジェンス、カー・マルチメディア、ETC/ERPなどの設備、ロジスティ ック、公共交通)に分けてわかり易く展示していました
三菱重工は、シンガポールでのERP運用実績の紹介を中心にビデオ上映、ETC車載器展示などの内容でした。
住友電工は、多くのパネルで、トンネル監視・交通事故監視などのシステムをPR。一体型画像感知器の実機を展示していました。

ITS Japan は、来年愛知県で開催するITS世界会議への参加誘致活動を行いました。

米国からの出展(3企業)

ITS America のブース内に下記3社が共同出展。カタログ配布が中心の地味な展示でした。3社はカリフォルニアに本社をおく企業。
Raytheon社(ETC路側機メーカー)、Comarco Wireless Technologies社(通信会社)、ITERIS社(監視カメラシステム)。
ITS America

台湾からの出展(21企業、7研究機関、12官庁)

台湾 工業技術研究院 AsiaTEK社
21企業の内訳は、ナビメーカー7社、GPSシステム2社、バス運行管理システム2社、通信2社、光ファイバー2社、信号機(ダイオード)2社、ソフトウェアなど4社。各社とも、自社製品・システムを熱心にPRしていました。台湾工業技術研究院の実車によるナビゲーションのデモ、GPSシステムのAsiaTEK社の大掛かりな展示が注目を浴びていました。
また、ロビー会場では台湾 交通部の活動成果紹介が12ブースを使って行われました。