第4回 アジア太平洋地域ITSセミナー(2000 北京)

開催概要

【会期】 2000年7月4日(火)~7月7日(金)
【会場】 北京/北京国際展示場
【テーマ】 ITS – New Era Choice of  Transport
【参加国・地域】 17
【参加者数】 870名
【出展数】 80
【論文数など】 論文:85、ES:3、TS:3

開催報告

主催は中国の科学技術部(政府機関であり「部」は日本の「省」にあたる)で、VERTISはITSのAP地域事務局として、このセミナーの計画当初から主催者とともに開催準備にあたってきました。

参加者数、展示規模ともこれまで最大規模のセミナー

全体で約700名が参加し、このうち中国以外からの参加者は150名を数えました。
内訳は日本から約60名、韓国・オーストラリア・マレーシア・台湾から各10名以上で、他に香港、ベトナム、タイ、シンガポール、フィリピンからの参加がありました。またベルギー、フランス、カナダ、ノルウェー、米国の欧米各国も加え全16カ国・地域が参加しました。また、展示も3,000m2の展示場に80社からの出展がありました。出展者内訳は日本6、韓国2、Norway1、他は中国であり多数の中国企業の出展が大いに目をひきました。

各国VIPが参加した国際色豊かな開会式

7月4日の午前に行われた開会式には中国政府各部・都市の要人、AP地域の各ITS組織の代表、加えて欧米からのゲストのスピーチがあり国際色豊かなセミナーとなりました。
開会式の登壇者はつぎのとおりでした。
(科技部)馬副部長、(公安部)楊副部長、(鉄道部)草副部長、(交通部)張副部長、(科技部)張処長・セミナー議長、(VERTIS)越副会長、(ERTICO)ポピネル会長、(米代表)シールズ、(ITS Australia)マッキントシュ会長、(ITS Korea)ヤン副会長、(REAM:Malaysia道路技術協会)タン・スリ・ワン会長、(ITS Canada)J.K. Lam会長、上海市代表、重慶市代表

多数の論文発表

今回のセミナーはエグゼクティブセッションとテクニカルセッションに分かれ、計70件の論文発表がありました。日本からは5省庁による発表計5件、大学・団体・民間企業から9件の論文発表がありました。エグゼクティブセッションで各国の代表によるカントリーペーパの発表では日本を代表して郵政省からの発表がありました。
また製品・技術のPRを目的としたショーケースセッションでは日本から2社がプレゼンテーションを行いました。

AP地域の交通問題を活発に論議

マレーシアでのセミナーで提案されたアジア特有の問題、すなわちモーターバイクの交通問題に関するセッション(混合交通セッション)が今回のセミナーで実現しました。台湾・中国・マレーシア・ベトナム等から各国の実状等の発表があり、AP地域として意義あるセッションとして高い評価を得ることができました。

欧米の行事参加が目をひいた

科学技術部主催でゼネラルモーターのサポートによるITS優秀論文コンクールが行われ、その表彰式が開会式の後で行われました。また、カナダ政府・フォルクスワーゲン社がそれぞれ半日フルタイムのショーケースに参加し大々的なプレゼンテーションをおこないました。

セミナー全体の総括

今回のセミナーを振り返った全体の特徴

  • 参加国総計16カ国・地域(AP11カ国・地域)と多数の参加があり、日本からのITS関係5省庁・関係団体・学識経験者・民間企業より約60名が参加し今回のセミナー成功に寄与しました。
  • 中国の参加者数・展示内容と規模から、中国におけるITSの検討が急速に進んでいることがよく分かりました。また科学技術部中心としてITS関係部(省)にITSが浸透しつつあることがうかがえました。
  • 一方、セミナー運営状況からみて、セッション発表での中国語多用、セッション時間管理の不十分なこと、事前準備が最後の追い込み型でプログラムの事前配布が出来ていなかったことなど、国際会議としての体裁がまだ不十分な面もありました。
  • セミナー全体からは中国が非常な勢いでITS推進を図っている雰囲気が随所で感じられ、参加者の中からも、中国を見直したとの声が聞かれました。

2002年APセミナー開催地と2004年ITS世界会議開催候補

7月7日のセミナー閉幕後にアジア各国地域がメンバーとなっているITSアジア太平洋委員会(ITS-APC)のミーティングが開かれ、今後のAPセミナー開催地、来年のシドニー世界会議のつぎにAP地域で開かれる2004年世界会議の開催地に関する検討が行われ以下の合意がなされました。