ITSの潮流 2025年版
<概要>
- 昨年の年次レポートでは日米欧中における中(長)期視点を中心としたITS 施策について整理してみたが、本年2025年版では、アジア・パシフィックにおけるITSに目を向けてみたい。
- “ITS Asia Pacific(以下ITS-AP)”は2025年4 月時点で11の国・地域(*1)で構成されており、アジア・オセアニア地域におけるITS の普及・発展活動を牽引、ITS Japan はリーダー役を担っている。
(*1):オーストラリア、中国、台湾、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージランド、シンガポール、タイ
(現在、インドが加盟申請中であり、2025/5に加盟最終決定されると参加国・地域は12 となる) - EU でほぼ統一されている欧州、米国が中心となる北米地域とは異なり、ITS-AP は各国・地域が地政学的側面、産業面、歴史的背景また交通事情から、それぞれが違った特徴を持っている。そのため、ITSの内容・進度についても違いが存在する。
- “ITS”という言葉は各国・地域で浸透している。ITS-APが開催している“ITS世界会議(*2)”・“ITS Asia Pacific Forum(*3)” はそれぞれの国・地域の交通政策・産業の発展を進めて行くときの重要なイベントとなり、マイルストーンとして活用されている。
(*2):ITS世界会議…欧州、北米とITS-AP で共催、3年に一度アジア・オセアニアを含むアジア太平洋地域で開催
(*3):ITS Asia Pacific Forum…ITS-AP が主催、ITS世界会議開催年を除き毎年(3 年に2 回)開催 - 今回は、ITS-AP の概要・特徴、そして加盟11 の国・地域から4 団体の特徴・ITS の活動を紹介、比較・考察を試みた。