移動データ統合・実装プロジェクト
探索プロジェクト
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• 社会課題解決に向けた車両プローブ、公共交通データ、人流データ等の移動データを収集・加工・提供する仕組みの提案を目標とする
• 社会課題を解決するユースケースの具現化と移動データの統合・共通化に向けた仕組みづくりの2軸で推進

「令和8年熊本地震交通復旧支援活動」災害時の道路交通に関する情報提供サイトはこちら
このたびの令和8年熊本地震により、被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。
熊本地震で影響を受けた地域の交通復旧を支援するため、ITS Japanが会員企業・団体に協力を呼びかけ、各社・団体の連携のもと、複数の交通・地図データを集約。会員への呼びかけから約1週間で、各社のデータをひとつの地図上に可視化・分析できる環境「熊本地震 交通状況ダッシュボード」を構築しました。発災前後の交通変化や迂回状況などを分析し、学と密に連携しながら、災害時の交通マネジメントにおける復旧検討に活用するとともに、機能の一部を一般向けにも公開しました。
【取り組みのポイント】
1.災害発生前後の交通状況をいち早く把握し、早期復旧につなげる
2.企業・団体の垣根を越えて多様な交通データを集約し、「ひとつの地図」に可視化
3.発災前後を比較し、迂回や交通集中、通行経路の変化などを多面的に分析
4.学と密に連携し、災害時の交通復旧に向けた検討にデータを活用
5.企業・団体、学、行政をつなぎ、交通データを社会課題の解決に活用
熊本地震からの交通の早期復旧へ、企業・団体が交通データを持ち寄り 「ひとつの地図」に
ITS Japanが複数の交通データから被災前後の交通状況を可視化・分析、学と連携し復旧検討に活用
<災害発生前後の交通状況をいち早く把握し、早期復旧につなげる>
地震などの災害が発生すると、高速道路や幹線道路の通行止め、道路の損傷などにより、普段とは異なる道路に車が集中したり、大規模な迂回が発生したりします。特に九州では、熊本を通る南北の幹線道路が寸断されると、九州東側の大分・宮崎方面への広域的な迂回が必要となり、その影響は被災地域だけにとどまりません。人や物の移動が滞ることで、九州の広い範囲で物流や地域の生活にも影響が及ぶ可能性があります。こうした状況の中で交通の早期復旧を進めるためには、「どの道路を、どのような車が、どのくらい走っているのか」「発災前と比べて車の流れがどう変わったのか」をできるだけ早く、広域的に把握するとともに、橋など交通の要所で車の動きがどう変化したのかを詳しく捉えることが重要です。
このたび、ITS Japanは日頃より活動にご協力いただいている呉工業高等専門学校環境都市工学分野の神田佑亮教授からの提案を契機に、会員企業・団体に協力を募り、各社・団体が保有する地図データや車両の走行データなどを持ち寄る体制を構築しました。協力企業・団体は以下のとおりです。
・ 株式会社ゼンリン
・ TomTom Sales B.V.
・ 日野コンピューターシステム株式会社/日野自動車株式会社
・ みずほ総合研究所*
*みずほ総合研究所はみずほ銀行内の組織の名称です
・ 一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター(略称:VICSセンター)
それぞれの強みを生かした連携により、会員への呼びかけから約1週間という短期間で、複数の交通データを一元的に確認・分析できる環境「熊本地震 交通状況ダッシュボード」を立ち上げました。
<多様な交通データを「ひとつの地図」に>
今回の取り組みの大きな特徴は、各社が保有する異なる種類の交通データを集約し、ひとつの地図上でまとめて確認・分析できるようにしたことです。各社から提供されたデータを株式会社ゼンリンの地図上に表示することで、それぞれのデータを個別に見るだけでは捉えにくかった発災前後の交通の変化や迂回の状況などを、視覚的に把握できるようにしました。
必要なデータを提供元ごとに個別に確認するのではなく、複数の交通データをワンストップで確認・分析できる環境を整えることで、被災地域周辺の交通状況をより広く、多面的に捉えることができます。
<データから見えてきた、発災前後の「交通状況」>
提供するデータは、九州全域の大型車の通行実績・交通量(日野コンピューターシステム株式会社/日野自動車株式会社)、交通のポイントとなる橋梁での車の走行・起終点情報(TomTom)、車の渋滞情報(VICSセンター、複数の国内大手自動車メーカーのデータを活用)などで構成されています。
これら複数のデータを組み合わせることで、発災前後の交通状況を多面的に分析できます。
<データから見えてくること(一例)>
• 九州自動車道の通行止めなどに伴い、大型車がどの道路へ迂回し、交通量が増加したのか
• 災害前後で、大型車がどのような道幅の道路を利用したか
• 九州の南北を結ぶ交通の要・氷川の橋で、広域・地域内の移動が発災前後でどう変化したか
<学との連携、実際の交通復旧の検討へ>
データは集めるだけではなく、実際に交通の早期復旧に役立てることが重要です。今回収集・可視化したデータについては、呉工業高等専門学校の神田佑亮教授を中心に、熊本大学、広島大学と密に連携しながら分析・活用を進めています。分析したデータや得られた知見は、学が参画する「熊本県災害時交通マネジメント検討会」等を通じて交通マネジメント施策を提案し、交通の復旧や運用等の検討にも活用いただいています。
また、今回の取り組みや得られた知見を広く知っていただくため、「熊本地震 交通状況ダッシュボード」の機能の一部を一般向けに公開しています。
<企業・団体の垣根を越え、データの力を社会課題の解決へ>
災害時には、一つの企業・団体が保有する情報だけで、刻々と変化する地域全体の交通状況を把握することは容易ではありません。今回の取り組みでは、異なるデータを持つ企業・団体が垣根を越えて協力し、それぞれが持つデータや技術を持ち寄ることで、災害で影響を受けた地域の交通状況をより広く、多面的に捉える環境を短期間で構築することができました。
ITS Japanは、企業・団体、大学、行政など、さまざまな関係者をつなぐ役割を担っています。今後も会員企業・団体をはじめとする関係者との連携を深め、ITSや交通データを活用して社会課題の解決に取り組んでいきます。
関連リンク
・熊本地震 交通復旧支援活動 : https://www.its-jp.org/katsudou/5mdata/
・熊本地震 道路交通に関する情報提供サイト「KUMATREM」 : https://public.kumatrem.com
・ITS Japan : https://www.its-jp.org/
・株式会社ゼンリン : https://www.zenrin.co.jp/
・TomTom : https://www.tomtom.com/ja/
・日野コンピューターシステム株式会社 : https://www.hino-cs.com/
・日野自動車株式会社 : https://www.hino.co.jp/
・みずほ総合研究所 : https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/mhri/consulting/index.html
・VICSセンター(VICSプローブスペシャルサイト) : https://www.vics.or.jp/everyone/special/
・呉工業高等専門学校 神田研究室 (VICSセンター提供データ掲載): https://www.ykandalab.net/d-trip/2026-kumamoto/

図 1 移動状況を地図やグラフで確認できる「熊本地震 交通状況ダッシュボード」 ライブマップ

図2 「熊本地震 交通状況ダッシュボード」の分析例:災害前後の大型車の経路変化

図3 「熊本地震 交通状況ダッシュボード」の分析例:氷川にかかる橋の利用状況変化

図4 VICSプローブ情報(一例) : 新萩原橋開通に伴う、八代の球磨川渡河部の交通流の変化
