道路情報基盤活用委員会 2013年度の活動報告
2013年度の活動 (報告書はこちら道路情報基盤活用委員会2013活動報告書)
2013年度は、オーソリティテーブルの活用が期待される具体的シーンの検討、オーソリティマップの活用検討を行い、加えて、道路情報基盤の自動運転での利用の検討も行ないました。
- オーソリティテーブル(道路の区間ID)の活用が期待される具体的シーンの検討
道路の区間ID方式を利用した具体的な利用シーンとして、ITSサービス、道路管理、自治体業務、での利用を検討しました。
ITSサービスではマルチモーダルの促進としてバス路線・バス停やバス走行位置の共有への利用、災害対応での利用を検討しました。特に災害対応では、位置の共有に加え、道路の一定の範囲(区間)を一義に定義できるIDが付与されていることを活用し、道路の区間という共通の単位への情報を集約することで、時系列的な道路の状況変化を把握することが可能となり、適切な対策が行えることを明らかにしました。例えば車両の通行実績や通行止めの情報を、区間ごとの単位で時系列的に管理することで、通行可能な道路の推定が容易となります。
また、自治体の保有情報をオープンデータとして公開することが促進されていますが、自治体で公開されている情報を整理し、道路の区間IDを利用することで情報共有と活用が促進できる事例も検討しました。 - オーソリティマップ(道路詳細図)の活用検討
道路の路面上での詳細な位置を表現するには、より詳細な道路地図上での位置表現の手段が必要となり、その位置表現が共通化されると、様々な静的・動的情報の共有によるITSサービスの進化が期待されます。このような位置表現に利用する道路の詳細図として、国土交通省が整備を進める「道路基盤地図情報」に着目しています。2012年度に、①交差点通過支援、②分合流支援、③駐車支援の3つの活用領域を抽出しましたが、2013年度の検討では、交差点通過支援をとりあげて検討しました。 - 道路情報基盤(オーソリティテーブル、オーソリティマップ)の自動運転での利用の検討
2013年6月、政府は、「世界最先端IT国家創造宣言」の中で、2020年代中の、自動走行システムの試用の開始を掲げました。国土交通省の「オートパイロットシステムに関する検討会」では、自動走行を具体化するためには、道路側の支援が必要であると分析しており、走行道路の静的情報や、走行する道路上に発生する動的情報を道路側から車両に与える必要があります。それらの静的あるいは動的な情報を連携させ、共有するために、道路情報基盤の利用が有効と考えられるため、自動走行のシーンでの道路情報基盤の利用方法の素検討を行いました。2014年度も引き続き、自動走行における道路情報基盤を利用したリアルタイムな情報連携方法を検討する予定です。 - その他
取組みの周知広報活動として、2013年10月のITS世界会議東京において、道路関連情報の官民共有による新たなサービスをテーマとしたセッションを実施しました。
また、2013年9月に国土交通省国土技術政策総合研究所からの要請により、当委員会の委員長が、「道路地図基盤の整備・更新・活用に関する研究会」の委員に就任し、2年間の活動予定です。
道路の区間IDの標準化については、IS17572(Location Referencing =位置参照手法)の実装例として追加する提案承認がされ、ISO/TC204においてFDIS投票準備中で2014年後半にIS発行される見通しです。
当初、委員会が新たなITSサービスとして想定してきた走行支援サービスは、自動運転へと、その可能性が拡大しました。2014年度は自動運転での利用検討を中心に、オーソリティテーブルの対象道路拡大への活動、オープンデータ・ビッグデータの利用を検討予定です。引き続き、会員及び関係の皆様のご協力をお願いします。
《 参考資料紹介 》
道路情報基盤活用委員会とは?(ITS Japanの活動内容)