道路情報基盤活用委員会 2011年度の活動報告

2011年度の活動 (報告書はこちら 道路情報基盤活用委員会2011年度活動報告書

2011年度は、道路の区間ID方式の具体的利用方法の検討、ITSサービスでの活用検討と活用促進、さらに国際標準化への働きかけ、関係する研究会・検討会等への参画・連携、取組みの周知・広報活動等を行ないました。

  1. 道路の区間ID方式の具体的利用方法の検討として、道路上の位置表現方法の特徴と課題、道路の区間ID方式の利点の整理を行った上で、道路管理 者が提供するWeb公開情報等に対する利用、標識情報への利用等を検討しました。また、すでに様々な位置表現方式を利用して管理される道路情報を想定し て、それらの位置情報が道路の区間IDを使って相互変換できるかを検討しました(例えば、GISで扱われる情報や、住所で表現される情報)。更に、道路の 区間IDが設定されない道路上での位置表現方法についても検討し、案を作成しました。
  2. 今後のITSサービスでの活用検討として、運転者への注意喚起情報提供や交差点における情報提供での活用を検討しました。更に、災害情報の共有 化に向けての活用を検討しました。また、2011年11月には日本デジタル道路地図協会により県道以上の道路の区間IDテーブルの整備が完了し、日本デジ タル道路地図協会のホームページで公開されました。これに先立ち、平成22年度の道路交通センサスでは、道路の区間IDが既に利用され、今後継続的な利用 が行なわれる見込みです。更に、現在、国土交通省国土技術政策総合研究所が中心となり、道路の区間ID方式を利用した情報流通実験が進められており、区間 ID方式の具体的な利用方法とその効果、さらには、実用化に向けた課題も明らかになるものと思われます。
  3. 道路の区間ID方式の国際標準化をめざし、ISO/TC204/WG3の関係者に働きかけを行ないました。その結果、2012年4月のISO国 際会議(メルボルン)で日本から、既存の規格IS17572(Location Referencing =位置参照手法)に、道路の区間ID方式を実装例の一つとして追加することの提案説明が行なわれ審議が開始されることとなりました。

道路の区間ID方式は、ドライバーの走行支援サービスへの活用のみならず、災害時の情報流通、GIS情報の広域活用等、自治体や市民の地域での情報 共有においての様々な活用効果があることが明らかとなりました。地域の情報流通における道路関連の位置情報基盤として有望であることから、2012年度も 引き続き普及促進活動を行なっていきます。

《 参考資料紹介 》

・道路情報基盤活用委員会とは?(ITS Japanの活動内容)