都市は大都市、中核都市、郊外の市町村などで規模、形状が大きく異なり、また日本の場合は南北に長く、山岳地帯も広いために各地域の気候も大きく異なっているため、それぞれの地域の抱える交通問題も一様ではありません。「地域ITS」とは、各地域においてその地域の特性やニーズに応じ、交通・移動分野の諸問題をIT技術の活用を図ることにより解決し、地域住民の生活向上と経済の活性化を目指す取り組みです。現在、国・地方・民間が連携してITS活用による交通問題の解決、地域経済の活性化へのさまざまな取り組みがなされています。ITS Japanは、総合科学技術会議(注1)の社会還元加速プログラム(注2)のタスクフォースで選定されたITS実証実験モデル都市(青森市、柏市、横浜市、豊田市)の取り組みについて支援を行っているほか、各地域でITS活用により課題解決を図るべく活動している地域ITS推進団体と連携して、「地域ITS推進団体連絡会」を開催しています。この連絡会はITS関係の4省庁5局と地域ITS推進団体が一同に会し、各省庁の取り組みを地域に展開すること、また地域間が相互に交流、意見交換を行うことにより、直面している課題を共有し、解決の糸口を見つけ、ITSの普及促進を促すことを目的としています。
また、2011年度より、地域との情報を共有する場の充実を図ることを目的に「ITS地域交流会」の取り組みを始めました。これは、地域ごと、あるいはテーマ単位で、地域の方々に参加していただき、意見交換や課題検討を行なうものですが、参加された地域間での情報流通の支援やITS Japanからの情報提供を行うことで、地域の方々の活動に役立てていただくと共に、ITS Japanとしては地域(フィールド)の状況を正しく把握し、「地域ITS推進団体連絡会」での討議や、会員企業への情報提供、ITSの提言の活動に活かしていこうとするものです。

政府においては、ITS を活用して環境にやさしい交通社会の実現等のため、ITS を利用して都市交通問題に取り組んでいる都市をITS 実証実験モデル都市」として選定し、2012年度末までに先導的な技術、施策と既存施策を融合するとともに、さまざまな実験を行い、その効果を検証するとともに、ITS の利用の先進事例とすることを目指し、2009年3月に社会還元加速プロジェクト「情報通信技術を用いた安全で効率的な道路交通システムの実現(プロジェクトリーダー:奥村直樹 総合科学技術会議有識者議員)」のタスクフォースにおいてITS 実証実験モデル都市として、青森市、横浜市、豊田市の3市を選定、更に6月に柏市を追加選定した。

(注1)総合科学技術会議
内閣総理大臣及び内閣を補佐する「知恵の場」として、我が国全体の科学技術を俯瞰し、各省より一段高い立場から総合的・基本的な科学技術政策の企画立案及び総合調整を行うことを目的とし、内閣府設置法に基づき、重要政策に関する会議の一つとして内閣府に設置された。
(注2)社会還元加速プロジェクト
総合科学技術会議において、科学技術の面で政策的に取り組むべき技術課題について議論を進め提言された技術革新戦略ロードマップに示されたもので、比較的近い将来に実証研究段階に達するいくつかの技術を融合して、国が主体的に進めていく先駆的なプロジェクト。総合科学技術会議が司令塔となり、関係府省融合、官民連携の下で推進し、5年以内に実証実験を行い、成果の社会還元を加速するもの。