ERTICOニュース:EUが2011-2020年道路交通安全計画 を発表

(2010年7月28日)

欧州委員会 は6月20日、欧州での交通事故死亡者数を10年以内に半減させることを掲げた意欲的な計画を打ち出した。

2011年-2020年の欧州の道路交通安全政策の方向をしめすものとして提案されたイニシアチブは、自動車安全に関する高レベルな標準化、道路ユーザー教育の改良、道路規制の取り締まりの強化にまで及ぶ。

欧州委員会は加盟国と協力し本プログラムを推進する。

欧州委員会の運輸担当副委員長シーム・カラスは「欧州では毎日100人もの人が交通事故で亡くなっている。2001年以来状況は改善し8万人近い命が救われているものの、交通事故死傷者数は未だ許容しがたい。ドライバーがどんな車をどこでどのように運転するかに着目し2020年までに交通事故死者数を半減させたい」と語った。

7つの対策のなかでITSに深く関連しているのは次の2つの戦略目標である。

第1は“自動車およびトラックの安全対策の強化“である。欧州委員会は2011年から2020年の間に、以下の新しい”アクティブ・セーフティ“対策が安全装備のために施行されることを確認している。

  • ESC(横滑り防止装置)の義務化(乗用車・バス・トラックの不安定・横転リスク軽減)
  • 車線逸脱警報システムの義務化(トラック・バス)
  • 自動緊急ブレーキシステムの義務化(トラック・バス)
  • シートベルトリマインダーの義務化(トラック・バス)
  • 小型商用車・バンへのスピードリミッタの義務化(トラックは施行済み)

高度運転支援システムの対象拡大については商用車・乗用車への衝突回避警報取り付けなども評価する。
電気自動車に関しては、欧州委員会は安全の技術標準化を進める具体策パッケージを推進する。

欧州委員会はさらに歩行者や自転車利用者などの交通弱者への傷害リスク軽減についても検討する。この分野における更なる技術対策を分析する。
第2は“スマートテクノロジーの強化”である。このために欧州委員会はITS ディレクティブで新しい仕様書を提案し、路車間でのデータや情報の交換が容易にできるようにしようとしている。欧州委員会はさらにe-Callの導入も加速させ、オートバイ運転者や大型トラック・バスにまで範囲を拡大させることを検討している。

かつてカラス副委員長との対話のなかで、ERTICO- ITS Europeは交通事故死亡者を減少させるためには、高度交通システムやサービスが重要であることを強く訴えてきた。ERTICO- ITS Europeは今回の道路交通安全アクションプログラムが重要なITS開発を多く取り入れているため歓迎している。

ERTICOパートナーシップでは対話を継続して、引き続き道路安全ITSを政策上重要な問題と位置づけ、コスト効果が高く組織的なITSの普及活動に大きく貢献し、すべての関係者を巻き込み欧州での相互運用性とシームレスなサービス提供を目指す。

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