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やさしいITS


近未来予想ー20XX年の暮らし
21世紀の交通を担うITS(高度道路交通システム〜Intelligent Transport Systems〜)が社会に定着すれば、人々の暮らしやライフスタイルは大きく変わっていることでしょう。
一家族をモデルに、ITSが拓く近未来のイメージをふくらませてみましょう。
休日に家族みんなで外出して 買い物に街へ出かけて お年寄りが旅行に出かけて

休日に家族みんなで外出して
今日は家族みんなで買い物と食事をしに車ででかけました。

お父さんは車に乗り込むとすぐにICカードを差し込みます。すると、運転シートやハンドル、バックミラー、サイドミラーなどが動きはじめます。ぼくはいつもこの瞬間、さあ出かけるぞという気分で、わくわくします。

このICカードは、お父さんの免許証やクレジットカードにもなっていて、ETCにも使えるし、もちろんお父さんのさまざまな個人情報も入っている。だから、車のいろんな部分がお父さんの体にあわせて調節され、カーナビもすばやく反応してくれる。

「ショッピングセンターへ」とお父さんが言うと、カーナビは「あと30分で到着するルートを表示します」と答えた。車が出発すると、お母さんはさっそく、カーナビでショッピング情報を呼びだし、お買い得品を調べて、買うかどうか迷っている。チェックすればお店で用意しておいてくれるのだけど、どうも迷うのが楽しいみたいだ。

赤信号の前で車は自動的に速度を落としながら止まった。

お年寄りが横断歩道をゆっくり渡っていく。以前は、信号の時間が決まっていて、お年寄りや車イスの人は大変だったけど、今は歩く人の速度にあわせているので、安心して渡れるようになった。

「今日はなにを食べるの」と妹がはしゃいでいる。
お母さんはすぐに、力一ナビのレストランガイドを呼びだした。ぼくが「中華料理がいい」と言うと、お母さんが中華楼をチェックし、テレビ電話に切り替わった。「ランチの予約をお願いします」「何名さまですか」といった会話がつづき、最後にお母さんはメニューを送ってもらうよう頼んだ。妹はあれもこれも食べたいと、迷っている。お母さんと同じだなと思った。

ショッピングセンターの駐車場に入るとき車はゲートをくぐった。「高速道路のETCと同じ仕組みだよ」とお父さんが教えてくれた。入るときも出るときもノンストップで、ICカードで買い物をすれば駐車料金を割り引いて自動的に精算してくれる。

お母さんがなにを買って、妹がなにを食べたかは秘密だけど、帰り道で驚いたことがあったんだ。突然カーナビから「停車します」と声が出て、スピードを落としながら安全に車が止まった。後ろの車も自動的に止まっている。カーナビは「前方100mに障害物、停車しました」、続いて「あと10分で走行開始」と伝えてくれた。トラックの荷台から落ちた荷物が道路をふさいでいたのだった。でもすぐに緊急自動車が駆けつけ、取り除いてくれた。

「以前だったら玉突き事故だったな」とお父さんが言うので、その意味を聞くと、何台もの車が次々に衝突することだという。「事故が少なくなったのもITSのおかげね」とお母さんが言うと、今度は妹が「アイティーエスってなに」って聞いた。「今では当たり前になってしまったから、もうITSという言葉は使わなくなったんだ」とお父さんはひとりでうなずいている。
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